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秋を鮮やかに彩る赤い花 – 彼岸花と二十四節気「秋分」

二十四節気の一つ「秋分」は、昼と夜の長さがほぼ等しくなる日のことで、
この日を境に昼は短く、夜は長くなり、季節は本格的に秋へと移り変わっていきます。

また、秋分は「秋のお彼岸」の中日でもあり、国民の祝日です。
この日は、祖先を敬い、自然を慈しむ日とされていて、多くの家庭でお墓参りが行われる日でもあります。

そんな季節に鮮やかに咲き誇る「彼岸花」は、その妖艶な姿から人々を魅了するとともに、様々な伝説や言い伝えが語り継がれてきた花です。

彼岸花の特徴

彼岸花は、ヒガンバナ科ヒガンバナ属の多年草です。
彼岸花の特徴は、なんといってもその鮮やかな赤色でしょう。
姿形も独特で、真っ直ぐに伸びた葉のない茎の先に、細長い花弁が放射状に広がっています。
葉は花が咲いた後に出てくるため、花の咲く頃には一切見られません。

また、有毒植物としても知られており、球根にリコリンという毒性物質が含まれているため、
誤って口にしてしまうと、嘔吐や下痢などの症状を引き起こす可能性があります。
墓地や田畑の畦でよく見かけるのは、その毒性を利用し害獣対策として植えられていた名残です。

不吉?吉兆?相反するイメージ

彼岸花の名前は、秋の彼岸の頃に咲くことから名付けられたと言われています。
「彼岸」とは、仏教用語で、現世とあの世の境目のことを指します。
そのため、彼岸花は、死や再生を象徴する花と捉えられてきました。

日本では、毒を持つことや墓地で多く見られること、あまりに鮮やかな赤い花などの特徴から、
「死人花」や「地獄花」といった名前で呼ばれることも多く、どちらかといえば不吉な印象を持たれがちな植物でした。

一方、別名である「曼珠沙華(まんじゅしゃげ)」は、
仏教の経典に登場する天界の花「曼珠沙華」に特徴が似ていることから付けられた名前で、
サンスクリット語で「天上の花」という意味を持ち、めでたい事が起こる兆しとして言い伝えられています。

また、欧米では属名でもある「リコリス」の名で園芸植物として人気となり、
多数の園芸品種が創出され日本にも導入されています。
その結果、日本においても従来のイメージを覆し、その価値が見直されつつあります。

彼岸花の品種

日本ではおなじみの赤い花を咲かせる「リコリス・ラジアータ」以外にも、
彼岸花には他にもさまざまな種類があり、白、黄色、ピンクなど、多様な色を持つ品種が存在します。
たとえば、白花の「リコリス・アルビフローラ」や、黄色の「リコリス・アウレア」、薄いピンク色の花弁に桃紫色の筋が入る「リコリス・インカルナータ」、などが挙げられます。
いずれも園芸植物として人気が高く、特に欧米では愛好家も多いようです。

彼岸花の育て方

彼岸花は非常に丈夫な植物で、適切な環境さえ整えば、手間をかけずに美しい花を咲かせます。
以下は、彼岸花を育てる際の基本的なポイントです。

・日当たりと土壌
彼岸花は日当たりの良い場所を好みますが、半日陰でも育ちます。
土壌は排水性が良く、少し酸性の土が適しています。
また、過湿に弱いため、根腐れを防ぐためにも、水はけの良い土を選ぶことが重要です。

・植え付け
彼岸花の球根は、夏の終わりから秋にかけて植え付けます。
深さは球根の大きさの2~3倍が目安で、根を広げるように植えます。
適切な間隔を保つことで、翌年には美しい群生が楽しめます。

・水やりと肥料
植え付け後、初期の水やりはしっかり行いますが、その後は乾燥気味に育てます。
彼岸花は過剰な水やりを嫌います。
また、基本的には肥料を必要としませんが、植え付け時に少量の有機肥料を混ぜ込んでおくと良いでしょう。

・管理と手入れ
冬の間は地上部が枯れてしまうため、その間は特に手入れの必要はありません。
翌年春に再び葉が出てくるので、その時期に必要に応じて草取りを行います。

その独特な形状と鮮やかな赤色から、秋の風物詩として人々の目を引く彼岸花。
不吉の象徴とめでたい天上の花という相反するイメージや、有毒植物でありながら人気の園芸植物であるなど、
身近な存在でありながら実に様々な側面を持つ魅力的な植物です。
皆さんもお手元で育てて、ぜひその不思議な魅力を堪能してみてください。

 

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